個人輸入代行サービスのご依頼はいわゆるブランド品が多いといえば多いのですが、これは「ブランド大好き」というお客様が多いというよりは通販ということでブランドの名前の後ろにある一定のクオリティー保証を受けたいという考え方が背景ではないかと思っています。確かに私自身もショッピングは殆どネットでしますが、同じ理由で手にとって見れないもので実物を見たことのないノーネームのものを買うことは殆どありません。店舗で見れたりすれば造りや品質が分かりますが、やはり品質保証ということですよね。もちろん価値観が似ている知人や友人、信頼できるソースから紹介されたりすることもありますので、そうなるとそのソースが保証元となります。
代行の仕事を趣味で始めたのはかれこれ9年前でして、まさかその時は本業の翻訳をサブにしたいと思うようになるとは思いもしませんでした。まだ収入面からいいますとどうかな、という感じですが、助けてくれる仲間にも恵まれ、リピーターのお客様も多くご利用くださるようになって、本当に感謝感謝です。
意外だったのは、代行の仕事のお客様は8割が男性だということ。もちろんレディースでオススメの商品を紹介しているものをお求めくださる方は大部分が女性ですが、自分の欲しいものを手配してくれ、というご依頼は男性が多いんです。そんなこんなでボート用のシートから高級ジュエリー、コレクターアイテムまで男のこだわり品、を代行購入させていただいています。
夫に言わせると男の人は一般的に欲しいものはあっても買い物自体が好きなわけではなく、押しの強い店員を敬遠する傾向もあるのではないかとのこと。確かに自分で気兼ねなくブラウズできるオンラインショップは男性向きなのかも。そんなこともあり、イグジムでもオススメメンズ品を広げたいと思いながら、時間がなくなかなか拡大できません。優先順位高位に入ってますのでよろしくお願いします。
最近実に楽しく代行させていただいたのが、グリニッジビレッジにあるカスタムジュエリーのスタジオでの代行です。マンハッタンへの店頭購入代行は週末にしか入れてませんが(車が停められないので)、私も電話だけでなく行きました。2代目の50代位の父親と3代目の30代に入ったか、位の息子さんでやっていて、FLASHPOINT (FLASHPOINT STUDIO Ltd.)という知る人ぞ知るカスタムジュエリーのお店なのだそうで、俳優Johnny Deppの身につけているカスタム版のJim Skull Ringが欲しいという最初のご依頼でした。
最初電話でお父さんの方とお話し、すごーく久しぶりに聞く強いニューヨークアクセントの年配イタリア系ニューヨーカーって感じで、すぐに、「あ、私お店に代行行きたい」と立候補したくなったんです(笑)。デザインとしてはスカル(骸骨)や蛇、バラ、イバラみたいなタトゥー風のものが多いので、もしかしたらお店の人も怖いのかも、、なんて思っていた心配は無用でして、小さな間口のお店に私が行った時には息子さんの方がお店に出ていて、非常にフレンドリーでプロフェッショナル。全然怖い服装もしてませんでした(笑)。職人なんでしょうね。
彼らが有名なジョニーデップのために指輪を作った本人なのですが、びっくりしたのが、日本で出回っているジョニーデップバージョンのJim Skull Ringは全て偽物なんだということ。スカルのサイドについているXや?といったマークはジョニーデップのアイデア・デザインであり、それを真似たものは著作権に抵触するのでここでは一切作っていないということでした。お客様からいただいていたネットで販売されていた参考写真をみて、息子さん「・・・・」絶句。一応自分達から直接購入した場合には保証書を添付するように保証書の作製にその後取り掛かったようです。息子さん曰く指輪の偽物を作る能力があれば、紙切れの複製も簡単だろうけど、直接買ってくれた人にはやっぱり渡した方がいいだろうということで。
その後もっと経験のあるお父さんの方(二人とも同じ名前なんです)ともお会いしましたが、その時には日本のお客さんがパラパラ入り始めた祖父と働いていた時期からもせっかく遠くから来てくれたのだからと大切に対応するように努力していたのだとか。ただやはりショップに日本で買ったジムスカルリングをはめて来店、これと同じものを違うサイズで注文されたお客様が自分のものが正規品ではないと知った時の顔を思い出すと本当に可愛そうになったと言ってました。自分達の作っているものと比べてすぐに違いが分かるとその場で外してポケットに入れてしまったそうです。
これが偽物の悪いところなんですよね。他のいわゆるブランド代行品にしても、偽物と知っていて買っておられる方はいいんです。だれもチャイナタウンの路上で売っている、またはお店の地下に連れていかれて見せられた品が本物だとは思いませんから。ワンシーズンで型崩れするようなものでも、安くて可愛ければという方もいらっしゃるようですし。
まずいのは、特に扱いの多いコーチなどは私どもが見ると一目瞭然のものばかりですが、当然普通はそんなに数を見ませんからショップの様子等で(仲介が入っているとショップの人も誠実に本物だと思っている可能性もありますし)本物だと思ってお求めになられている方(値段もそれなりにするんです)を買って、あとで判明。というのが一番ショックの大きなものだと思います。偽物を買おうと思ったんじゃないんですから。
それが理由でやはり日本で買えるものでも、直営店・正規店で直接買ってくれと代行のご依頼をいただくことが多いのかと思います。
話はそれましたが、このスタジオ、C'est Magnifiqueと言いますが、非常にオススメです。Jim Skull Ringのようなポピュラーなものものだけでなく、カスタムジュエリーが売りですので、自分でデザインしたジュエリーを作ってもらえます。
私も近づく結婚15周年記念に夫とお揃いで自分達のデザインしたリング作ってもらおうかな、と思ってます。金属から石まで指定できますので安心です。私は基本的に貴金属はすぐになくすので(鞄等大きさのあるものに投資するようになった原因は小さなものだとなくしてしまうという私のズボラさのせいです)、あまり高いものは身に付けられないんですが、結婚指輪と婚約指輪は無くさずに済んでいますし、婚約指輪は私は「手だけは芸大」の大きな手なので、小さな可憐な石はあまり映えない指でして、自分で信じることのためにボランティアとして働いていた当時の夫に負担にならないように大きめの石にする代わりにダイヤモンドではなく自分の好きなアクアマリンにしてもらったという経緯があり(といってもカスタムで作ってくれたので結果的にはあまり節約にならなかったのかも、、)、ダイヤモンドの指輪ってもってないんですよね。(今でも気に入ればそれが一番ですしプレゼントは気持ちの問題だと思ってます。ただ全く気に入らない毎日見につけなくてはならないものの場合、気持ちだけもらった方が助かるかも(笑))。夫も今では家族を支えるためにしっかり仕事してくれてますので、ちょっとお金を貯めて記念になるもの、自分達で作った身に付けられるものを次の15年のために買ってもいいかななんて思ってるんですよ。
わざわざ店頭購入依頼するこのジムスカルリングってどんなの?なんて思われている方もいらっしゃると思いますので左でベーシックなものをご紹介。(あまり大きな写真だとびっくりされるかと思いますので小さくのせました)スカルリングには死を恐れるなとか皮をはいだらみんなこんなものという本質を見極めるといったような意味があるそうです。
色々勉強になります。まだまだ代行経由で学んだことありますのでまたご紹介しますね。
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